おはようございます!レバナス父さん(@levanasu_papa)です。
賃貸か持ち家か。この話題、たぶん一生決着しません。ネットで何度も読みましたが、最後はいつも「価値観次第ですね」で終わります。
それはそうなんですが、ちょっと待ってほしいんです。価値観の前に、計算できる部分がまだ残っています。
そこで今回は、「いま3,300万円を借りて家を買うなら、家賃いくらまでなら借りたほうが安いのか」を計算しました。
ついでに、2018年に3,600万円で買った我が家をいまの値段といまの金利で買い直すといくらになるのかも出しました。月17万8,000円です。8年前の1.88倍でした😱
結論:いま買うなら、分かれ目は家賃14.6万円です
先に結論から書きます👇
- いま3,300万円を35年で借りると、総返済は5,561万円。利息だけで2,261万円です💸
- 税金・修繕・保険を足し、住宅ローン減税を引くと、35年の住居費は約6,400万円
- 同じ家を借りると、うちの近所の相場は家賃16万円。35年なら約6,990万円(更新料込み)です
- 釣り合うのは家賃14.6万円。うちの地域は買うほうが約590万円安く、家賃12万円の地域なら賃貸が1,160万円安くなります🏠
- ただしこれは3,600万円の家が買えた場合の数字。同じ家はもう4,740万円なので、この前提自体がすでに古いです
- ただし建売の全国平均は1年で389万円上がって4,215万円。平均どおり3,800万円借りるなら、分かれ目は16.8万円です🏠
- 場所と広さで金額は倍以上変わります。都心からの距離帯別・1㎡あたりの表を載せたので、そこから自分の数字を出せます
- うちの家をいま買うと月17万8,000円(8年前の1.88倍)。必要な世帯年収は894万円で、正直、僕にはもう買えません😱
- 「家賃はどうせ上がる」は計算に入れていません。日本では、住み続けている人の家賃はほとんど上がらないからです
「どっちが得か」に全国共通の答えはありません。でも「あなたの場合の分かれ目」なら計算できます。やり方は最後に書きます。
まず前提:2018年の条件は、もう再現できません
この手の記事でいちばん危ないのが、数年前に買った人の体験談をそのまま参考にしてしまうことだと思っています。
僕は2018年に、フラット35の金利1.1%で借りました。今はまったくちがいます。
| 2018年 | 2026年8月 | |
|---|---|---|
| フラット35の金利 | 1.1% | 3.29% |
| 住宅ローン減税の控除率 | 1% | 0.7% |
| 控除期間 | 10年 | 13年 |
| 住民税からの控除上限 | 13.65万円 | 9.75万円 |
※金利は【フラット35】2026年8月の最頻値(借入期間21年以上・融資率9割以下)です。
金利は3倍近く、控除率は下がって、期間は延びている。条件が全部動いているので、昔の体験談は前提から使えません。
なので今回は「いまの数字」で計算します。
いま3,300万円を借りると、利息は2,261万円です

同じ3,300万円を、35年・ボーナス払いなしで借りた場合です。
※この3,300万円は、2018年にうちが実際に借りた額です。3,600万円の家を頭金300万円で買いました。ここでは金利だけを今のものに差し替えています。同じ家の値段そのものが上がっている問題は、記事の後半で計算します。
| 金利1.1%(2018年) | 金利3.29%(いま) | |
|---|---|---|
| 毎月の返済額 | 94,700円 | 132,401円 |
| 35年の総返済 | 3,977万円 | 5,561万円 |
| うち利息 | 677万円 | 2,261万円 |
利息は3.3倍。金額にすると1,584万円ふえます。
毎月の返済額も、9万4,700円から13万2,401円へ。差は月3万7,700円です。金利が変わるだけで、毎月これが上乗せされます💦
いまの住宅ローン減税は、0.7%が13年です
持ち家には、賃貸にはない制度があります。住宅ローン減税です。ただし中身は昔とかなり変わっています。
💡 2026年入居の住宅ローン減税(主なポイント)
- 控除率は年末残高の0.7%、期間は新築で原則13年
- 借入限度額は住宅の省エネ性能で変わる。2026年入居の新築なら省エネ基準適合2,000万円/ZEH水準3,500万円/長期優良・低炭素4,500万円
- 省エネ基準を満たさない新築は、そもそも対象外
- 19歳未満の子がいる世帯、または夫婦のどちらかが40歳未満の世帯は、借入限度額が上乗せされる
- 所得税から引ききれない分は、翌年の住民税から最大9万7,500円まで
ここで見落としがちなのが、「限度額いっぱい戻ってくるわけではない」という点です。
戻るのは自分が実際に払った税金が上限です。年収430万円台の我が家だと、所得税と住民税を足しても年20万円前後が現実的なところ。13年で250万円くらいの計算になります。
年収が高い人ほど大きく戻る制度なので、「最大◯◯万円お得!」という数字は、たいてい自分には当てはまりません。ここは自分の源泉徴収票で確かめる部分です。
もうひとつ大きいのが、住宅の省エネ性能で借入限度額が変わるという点です。省エネ基準を満たさない新築は、そもそも減税の対象になりません。
2018年当時は、性能で線引きされることはありませんでした。今は「どんな家を買うか」で戻る額が変わります。物件を選ぶ段階で減税の話が絡んでくるので、後から気づくと取り返しがつきません。
いま買う場合と、賃貸を35年で並べます

買う側には、ローン以外もちゃんと足します
持ち家に有利な計算をしても意味がないので、不利な費用を先に足します。
| いま買う場合・35年 | 金額 |
|---|---|
| 住宅ローン(3,300万円・3.29%) | 約5,561万円 |
| 固定資産税(年14万円・うちの実額) | 約490万円 |
| 修繕・リフォーム | 約500万円 |
| 火災・地震保険 | 約100万円 |
| 住宅ローン減税 | −約250万円 |
| 合計 | 約6,400万円 |
固定資産税はうちに実際に届いている年14万円を使いました。ここは一般値ではなく実額です。
修繕費だけは想定です。うちが8年で使った修繕費は、じつは10万円しかありません。ただしこれは安く済んだのではなく、外壁も屋根もまだ一度も触っていないだけです。戸建ての大きな出費は10〜15年目から来るので、うちはまだ請求書が届いていない段階にすぎません。
ここを入れずに「持ち家のほうが安い」と言うのは、フェアじゃないと思っています。
賃貸側は、家賃が上がる前提を置きません
賃貸側は想定ではなく、うちの近所で同じくらいの一戸建てを借りた場合の相場、家賃16万円で置きました。35年ぶんに2年ごとの更新料(家賃1ヶ月分)を足して、約6,990万円です。
ここで「家賃はどうせ上がるでしょ」と思った方。それ、日本の賃貸ではあまり起きません。
💡 住んでいる人の家賃が上がりにくい理由
- 大家さんは値上げを請求できる(借地借家法32条)。でも、請求を受けた側が納得しなければそこで止まる
- 話がまとまらない間、請求を受けた側は「自分が相当と認める額」=今までの家賃を払い続けていればいいと法律に書いてある
- 正式に上げるには裁判で確定させるしかない。数千円の値上げのためにそこまでやる大家さんは、まずいません
つまり、住んでいる人への値上げは制度上ほぼ「お願いベース」ということです🙏
実績も同じです。財務省の広報誌『ファイナンス』のコラムに、消費者物価指数の民営家賃は2023年に25年ぶりでプラスに転じたと書かれています。裏を返せば、それまで25年ほとんど動かなかったということです。
同じコラムには、日本には「家賃は上がらないもの」という商慣習ができた、とも書かれていました。
物価も為替も動いているのに、家賃だけ動かない。1ドル163円の時代にはねじれた話ですが、借りる側にとっては強い味方です。
⚠️ ただし、上がる家賃もあります
上がるのは新しく募集する家賃のほうです。だから引っ越すと、そこで今の相場にリセットされます。
子どもの成長に合わせて広い部屋へ住み替えるつもりなら、その時の相場をまともに受けます。賃貸が有利なのは、あくまで動かずに住み続けた場合です。
結果:うちの地域だと、買うほうが590万円安く出ます
買う場合約6,400万円に対して、家賃16万円の賃貸は約6,990万円。差は約590万円で、買うほうが安く出ました。
持ち家の僕にとって都合のいい結果なので、逆も書いておきます。これは家賃16万円の地域だから出た答えです。
同じ家を家賃12万円で借りられる地域なら、35年で約5,250万円。今度は賃貸のほうが1,160万円安くなります。
金利も広さも、何ひとつ変えていません。家賃相場が4万円ちがうだけで、結論はひっくり返ります。
じゃあ何なら言えるのか:分かれ目は家賃14.6万円です
ここが、この記事でいちばん使える数字だと思っています。
買う場合の35年ぶん(約6,400万円)と釣り合う家賃を逆算すると、月14.6万円でした。
🎯 いま3,300万円借りて買う場合の分かれ目
- 同じ家に住むのに家賃14.6万円より高くつく地域なら → 買ったほうが安い
- 14.6万円より安く借りられる地域なら → 借りたほうが安い
- この14.6万円は家賃が上がらない前提で出しています。上がる前提を足せば持ち家に有利になりますが、根拠がないので入れていません
都心と地方では家賃が倍以上ちがうのに、全国で同じ結論が出るわけがありません。だから「賃貸か持ち家か」に一般解はないんです。
でも「自分の場合、家賃いくらが分かれ目か」なら、誰でも出せます。
同じ月9万4,700円でも、いまは940万円借りられません

もうひとつ、金利が上がると起きることがあります。
僕が払っている月9万4,700円。この同じ金額を、いまの金利3.29%・35年で借りるとしたら、いくらまで借りられるのか。
答えは約2,360万円です。2018年なら3,300万円借りられた同じ返済額で、約940万円ぶん借りられなくなっています。
つまり「毎月これくらいなら払える」という金額が同じでも、買える家の値段は940万円下がるということです。
これは損得の話というより、選べる家が変わるという話です。同じ予算なら、狭くするか、駅から遠くするか、中古にするか。金利上昇は、そういう形で効いてきます。
逆に言うと、家の値段が下がらないかぎり、金利上昇はそのまま「買えない人が増える」ことを意味します。
ここは投資と同じ構造だな、と思いました。金利が上がると、借りて何かを買う人が減る。不動産でも株でも、値段を決めているのは結局そこです。
しかも、その家の値段自体が上がっています
ここでずっと引っかかっていることがあります。
そもそも3,300万円で、同じレベルの家が買えるのか。
たぶん、買えません😥
| 家の値段まわり | 数字 |
|---|---|
| 建売住宅の全国平均(2025年度) | 4,215万円 |
| 前の年度(3,826万円)からの上げ幅 | +389万円(+10.2%) |
| 土地付注文住宅の全国平均 | 5,313万円(+306万円) |
| 中古の戸建て | 2,783万円(+209万円) |
| 建設工事費(2015年→2025年) | 約1.3倍 |
フラット35利用者調査(2025年度・8,345件)によると、建売住宅の全国平均は4,215万円でした。
問題は上げ幅です。前の年度は3,826万円だったので、たった1年で389万円、率にして10.2%上がっています。
中古の戸建てまで+209万円です。新築が上がったぶん、中古に流れて中古も上がる。逃げ場がありません😰
💡 この「平均」が何の平均か
- フラット35を使って建売を買った8,345人の単純平均です。全期間固定を選んだ人の集計なので、変動金利で民間の銀行を使った人は入っていません
- 金額は購入価額(土地+建物)。登記費用や仲介手数料などの諸費用は入っていません
- 件数の48%が首都圏です。だから4,215万円は「全国どこでもこの値段」という意味ではありません(首都圏4,835万円/その他地域3,395万円)。距離帯別の数字はこのあと出します
じゃあ「都会の件数が増えただけで、平均が釣り上がっただけ」なのでは?と思ったので、確かめました。
結果はシロでした。首都圏の割合は48.2%→48.0%とほぼ動いていません。前の年度の地域構成のまま計算し直しても、平均は4,214万円。ほぼ同じ数字が出ます。
しかも住宅面積の平均は100.7㎡→100.4㎡でほぼ同じ。つまり同じくらいの広さの家が、1年で389万円高くなったということです😨
地域別に見ても、首都圏+472万円、東海+413万円、東北+415万円。ほぼ全国で上がっています。
国の建設工事費デフレーター(木造住宅)で見ても、2018年度の97.9が2026年5月には126.7。うちが買ってからの8年で、約3割上がっています。
うちが2018年に買ったのは3,600万円でした。同じ家をいま買うなら、この金額では届きません。
1年で10%上がった理由は、資材と人件費です
なぜ1年で389万円も上がるのか。元の値段が上がっているからです。
📈 家の値段を押し上げているもの
- 資材:木造住宅の建設工事費デフレーターは、2026年5月で前年同月比+5.2%。上げ止まっていません
- 人件費:大工さんなどの労務単価は2026年3月適用分で前年度比+4.5%。14年連続の上昇で、初めて1日あたり2万5,000円を超えました
- 工期:2024年4月から建設業にも残業時間の上限規制が入りました。残業で工期を詰められないぶん、人を増やすしかありません
資材が上がって、人件費が上がって、しかも人を多く使わないと終わらない。値段が下がる要素がひとつもありません。
そこに1ドル163円です。輸入する木材も設備も、円で買うと高くつきます。
この4,215万円は2026年3月までの集計です。いま見積もりを取っている方は、たぶんもっと高い数字を見ています。
ついでに、買っている人の顔ぶれも変わっています
同じ調査に、こんな数字もありました。
| 建売を買った人の平均 | 2024年度 | 2025年度 |
|---|---|---|
| 世帯の年収 | 626万円 | 680万円 |
| 年齢 | 42.1歳 | 40.7歳 |
世帯年収の平均が、1年で54万円上がっています。
そして平均年齢は1.4歳も若くなっています。
給料が上がったから、ではないと思います。値段が上がって、払える人しか買えなくなった。年収が高くて、若くて、長く借りられる人。そこに寄っていった結果だと見ています。
ちなみに僕は46歳で、本業の年収は430万円台。共働きですが、この平均像には届きません。買っている人の平均像から、うちは外れているということです😅
😰 いま家を買う人は、両側から挟まれています
- 借りられる額は減る:同じ月9万4,700円で、3,300万円 → 2,360万円
- 必要な額は増える:建売の平均は4,215万円まで上がっている(1年で+389万円)
- この2つが、同時に来ています。「同じ家をもっと高く、もっと重い金利で買う」ということです
では、いくら借りることになるのか。これも同じ調査に出ています。
建売を買った人の手持金(頭金)は平均428万円。ということは、4,215万円から差し引いて平均で約3,800万円を借りている計算になります。
うちの3,300万円より、500万円多い。この3,800万円で計算し直します。
| 3,800万円を金利3.29%・35年 | 金額 |
|---|---|
| 毎月の返済 | 約15万2,000円 |
| 35年の総返済(利息2,603万円) | 約6,403万円 |
| 固定資産税・修繕・保険 | 約1,174万円 |
| 住宅ローン減税 | −約250万円 |
| 35年の住居費 | 約7,327万円 |
| 分かれ目の家賃 | 約16.8万円 |
借入が500万円増えるだけで、分かれ目は14.6万円から16.8万円まで上がりました。それだけ家賃の高い地域でないと、買う側に旨みが出ないということです。
ちなみに毎月の返済は15万2,000円。うちの9万4,700円と比べると、月に5万7,000円ちがいます。ちょうど僕が毎月レバナスに入れている金額です💸
そしてもうひとつ。この表、減税の金額が250万円のまま増えていません。
💡 借りる額を増やしても、減税は増えません
- 減税の対象になる借入額には上限がある。2026年入居の省エネ基準適合の新築なら2,000万円(子育て世帯・若者夫婦世帯は3,000万円)
- この上限は2025年入居までの3,000万円/4,000万円から引き下げられています
- それ以前に、戻ってくるのは自分が払った税金まで。年収430万円台だと所得税と住民税を合わせても年18万円台が限界です
- つまり借入を増やすほど、減税でカバーできる割合は下がります
ここは自分の源泉徴収票で確かめてください。「上限まで借りたから満額戻る」と思っていると、けっこうズレます⚠️
全国平均は使えません。あなたの場所と広さで出します
ここまで「全国平均4,215万円」で話してきましたが、この数字をそのまま使える人はほぼいません。
都心と郊外では、家の値段が倍以上ちがうからです。同じ調査に、東京駅からの距離帯ごとの数字が載っていました。

10㎞未満が7,539万円で、60〜70㎞が3,033万円。同じ東京圏で2.5倍の差です。
しかも面白いのは遠いほうが広いということ。都心95.0㎡に対して、60〜70㎞は105.2㎡。遠くに行くほど、安くて広くなります🏡
郊外も同じだけ値上がりしています
いちばん右の列を見てください。「郊外なら値上がりと関係ないでしょ」と思うかもしれませんが、そんなことはありませんでした。
どの距離帯も、率にして+7.7〜11.9%。金額なら+300〜600万円です。郊外にも同じだけ来ています。
うちの30〜40㎞も+366万円(+9.6%)。たった1年でこれです。
ちなみに10㎞未満だけ+1.0%とほぼ横ばいでした。都心はもう、上がる前に高すぎるということかもしれません😅
広さでも変わります。1㎡あたりで考える
もうひとつ。同じ場所でも、3LDKと4LDKでは値段がちがいます。
間取りそのものは調査に載っていないので、面積で見ます。都心から30〜40㎞は1㎡あたり42.1万円だったので、こうなります。
| 都心から30〜40㎞の場合 | 家の値段 | 分かれ目の家賃 |
|---|---|---|
| 95㎡(3LDKくらい) | 約4,000万円 | 約15.8万円 |
| 110㎡(4LDKくらい) | 約4,633万円 | 約18.5万円 |
15㎡ふえるだけで約630万円。分かれ目の家賃は15.8万円から18.5万円に上がります。
これが20〜30㎞になると、同じ15㎡で約750万円です。都心に近いほど、部屋ひとつ増やす代金が高くつきます。
✅ 自分の数字の出し方(3ステップ)
- ①上の表から、自分の距離帯の1㎡あたりの金額を選ぶ
- ②欲しい広さ(㎡)を掛ける = だいたいの家の値段
- ③頭金を引いた額を、35年3.29%でシミュレーターに入れる
ここまで出せば、あとは記事の後半の手順で分かれ目の家賃が出せます!🧮
参考:8年前に買った僕の場合
ここまで「いま買うなら」で書いてきたので、最後に自分の数字も置いておきます。あくまで昔の条件のサンプルとして見てください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 購入年 | 2018年 |
| 場所 | 東京の郊外(都心から30〜40㎞) |
| 間取り | 3LDK+屋根裏収納・駐車場1台 |
| 購入価格 | 3,600万円 |
| 借入額 | 3,300万円(頭金300万円) |
| 金利 | フラット35・全期間固定1.1% |
| 毎月の返済額 | 約95,000円 |
| 8年で払った総額 | 約909万円(うち利息263万円) |
| いまの残債 | 約2,654万円 |
| 完済予定 | 2053年(73歳) |
8年払って、減った借金は646万円だけです。住宅ローンは最初のうち返済額の多くが利息に回るので、思っているほど元本は減りません。ここは金利にかかわらず共通です。
……と、8年間そう思っていました。これは名目の話で、このあとひっくり返します。
この条件で分かれ目を計算すると家賃11.0万円。いま買う場合の14.6万円とは、3.6万円もちがいます。
同じ3,300万円を借りても、借りた年で答えがちがう。だから人の体験談はそのまま使えないんです😅
ついでに、この8年で実際に払った額も出しておきます。ここは試算ではなく全部実額です。
💰 8年ぶんの実額を、賃貸と並べてみました
- ローン返済 909万円(9万4,700円 × 96ヶ月)
- 固定資産税 112万円(年14万円 × 8年)
- 修繕費 10万円(8年でこれだけでした)
- 合計1,031万円。月に直すと10万7,000円です
同じ8年を、近所の相場である家賃16万円で借りていたら1,600万円(更新料込み)。差は569万円、月にすると5万9,000円でした。
ただし、これは持ち家にいちばん都合のいい8年です。外壁も屋根もまだ触っていないので、修繕費が10万円で済んでいるだけ。この先の27年で、この差はかなり削られます。
借金のほうも、8年で目減りしていました
さっき「8年で646万円しか減っていない」と書きました。ここを裏返します。
この記事でずっと使ってきたとおり、同じ距離帯・同じ広さの家は8年で+31.7%になりました。だったら、残っている借金も同じ物差しで測るべきです。
💡 残債2,654万円を、2018年のお金に直すと
- 2,654万円 ÷ 1.317 = 2018年の感覚で約2,015万円
- 借りた3,300万円から見ると、実質では1,285万円ぶん減っていることになります
- 名目の646万円に対して、ほぼ倍です
物価全体ではなく「同じ家を買い直す力」で測った場合の話です。そこは断っておきます。
金利は1.1%で固定しているので、家の値段がいくら上がっても返済額は1円も増えません。上がったのは家の値段のほうです。給料も同じだけ上がっていれば完璧だったんですが、そっちは連動しませんでした😅
これ、構造としてはレバナスに1,860万円分のレバレッジをかけているのと同じです。安い金利で借りて、値上がりする資産を持つ。それだけの話なので。
期間35年・金利1.1%・3,300万円。よく考えたら、僕のいちばん大きなレバレッジは住宅ローンのほうでした。
もちろん、これは物価が上がったから成立している話です。上がらなければ効果はゼロ。2018年の時点でこうなると分かっていたわけではないので、威張れることは何もありません。
それに、この「借金が目減りした」と、次に出てくる「同じ家がもう買えない」は、まったく同じ+31.7%から出ています。
先に買った側が得をしたぶんを、これから買う側が背負っている。それだけの話です。喜べる立場ではありません。
ちなみに僕の住宅ローン減税(1%・10年)は、2027年分で終わります。金利3%を超える借金は先に返すというルールを持っていますが、1.1%はその下なので、控除が終わっても繰上返済はしない予定です。その判断の経緯はこちらの記事に書きました。
😅 ついでに白状すると
2018年に3,600万円で買ったこの家が、いまいくらで売れるのか。8年間、一度も調べていません。
レバナスの口座はほぼ毎日見ているのに、金額がずっと大きいほうは見ていない。だから僕には「持ち家が得だった」と言う資格がありません。売値を知らないので、損得の計算がそもそも完成していないからです。
同じ家をいま買ったら、月17万8,000円でした
ここまで書いてきて、自分でも確かめたくなりました。
この家をいま買うと、いくらなのか。
うちは都心から30〜40㎞の郊外で、3LDKに屋根裏収納、駐車場1台ぶん。まさに同じ調査の「30〜40㎞」の枠に入ります。
| 都心から30〜40㎞・建売の平均 | 2018年度 | 2025年度 |
|---|---|---|
| 購入価額 | 3,180万円 | 4,187万円 |
| 住宅面積 | 99.4㎡ | 99.4㎡ |
ここ、鳥肌が立ちました。面積の平均が、8年前とぴったり同じ99.4㎡なんです。
つまりまったく同じ広さの家が、1,007万円高くなった。率にして+31.7%です😱
この上昇率をうちの3,600万円に当てはめると、いまなら約4,740万円。頭金300万円は同じとして、借入は4,440万円になります。
| 2018年に買った僕 | いま同じ家を買う人 | |
|---|---|---|
| 家の値段 | 3,600万円 | 約4,740万円 |
| 借入額 | 3,300万円 | 約4,440万円 |
| 金利 | 1.1% | 3.29% |
| 毎月の返済 | 9万4,700円 | 17万8,100円 |
| 35年の総返済 | 3,977万円 | 約7,481万円 |
| うち利息 | 677万円 | 約3,042万円 |
毎月の返済が1.88倍。差額は月8万3,400円です。
では、この月17万8,100円を無理なく払える世帯とはどのくらいなのか。これも同じ調査から逆算できます。
😱 必要な世帯年収を逆算すると
- フラット35を使った人の総返済負担率は平均23.9%(年間返済 ÷ 世帯年収)
- 月17万8,100円=年214万円をこの23.9%に収めるには、世帯年収894万円が必要です
- 別の角度でも同じです。買った人の年収倍率は平均6.9倍。4,740万円をこれに収めるには年収687万円ほど要ります
この687万円という数字、実際に建売を買った人の平均世帯年収680万円とほぼ一致します。数字がちゃんと噛み合っている証拠です。
我が家は共働きですが、894万円にも687万円にも届きません。本業の年収430万円台に対して、4,740万円は10.9倍。平均6.9倍とは比べものになりません。
いま同じ家を探しに行っても、僕は買えていません。これは謙遜でも自虐でもなく、単に計算するとそうなります😅
「安い」のに「買えない」のは、矛盾ではありません
ここで「あれ?」と思った方がいるかもしれません。前半では「買うほうが590万円安い」と書いたのに、その僕が「買えない」と言っている。
矛盾しているようで、していません。安いかどうかと、払えるかどうかは、別の話だからです。
⚠️ 「安い」と「払える」はちがいます
- 安いか=35年の合計で比べる話。家賃と並べれば出ます
- 払えるか=毎月いくら出せるかの話。こっちは今の月収で決まります
35年で590万円得をする計算だとしても、そこにたどり着く前に毎月の17万8,000円で潰れたら意味がありません。
ややこしいのは、審査のほうは通ってしまう可能性があることです。フラット35は年収400万円以上なら返済負担率35%まで借りられるので、年214万円の返済は年収611万円で計算上は通ります。
無理なく返せる水準は894万円、審査が通る水準は611万円。その差、283万円。実際に買った人の平均が23.9%に収まっているのは、みんな審査の上限まで借りていないからです。
しかも、この35%に入るのは住宅ローンだけではありません。
🚗 車のローンも、同じ枠に入ります
- 返済負担率の計算には、自動車ローン・教育ローン・カードローンも合算されます(キャッシングや分割払い、リボ払いも対象)
- 収入合算した相手の借入も足されます
- たとえば車のローンが月3万円あれば、年36万円ぶん住宅ローンの枠が減ります
うちはMINIをローンで買っているので、これは他人事ではありません。家より先に車を買うと、そのぶん借りられる額が減ります。順番の問題です。
ちなみに月8万3,400円という差額は、毎月レバナスに入れている5万円を全部やめても、まだ足りない金額です😇
この家の分かれ目は11.0万円だと後で書きますが、いま同じ家を買う人の分かれ目は19.4万円。同じ家なのに、8万4,000円もちがいます。
ここまで来ると、もう「賃貸か持ち家か」という議論ですらありません。いつ買ったかで、話がまるごと別物になっています。
🧮 自分の分かれ目を出すやり方
難しくありません。これから買う方も、もう買った方も、5分あれば出せます。
【これから買う方】分かれ目の家賃を出す
- ①借入予定額と金利で、35年の総返済額を出す(金融機関のシミュレーターでOK。建売の全国平均は4,215万円、頭金は平均428万円)
- ②固定資産税 × 35年を足す(年10〜15万円が目安。うちは14万円でした)
- ③修繕費を足す(35年なら500万円くらい見ておく)
- ④住宅ローン減税で戻る分を引く(自分が払っている税額が上限)
- ⑤合計を437で割る(420ヶ月+更新料17回ぶん)= これがあなたの分かれ目の家賃!
この金額より高い家賃の地域なら、買うほうが金額的には有利です。
✅ 面倒なら、逆から出してもいいです
①〜⑤を揃えるのが面倒なら、逆から出せます。自分の家賃なら、いま知っているはずなので。
- いまの家賃(または近所の相場)× 437 = ここまでの家なら買ってもペイする、という金額
- うちの場合:16万円 × 437 = 約6,990万円
この金額より安い家なら、35年の合計では買うほうが安く済みます。ただし毎月払えるかは別問題なので、そこは必ずシミュレーターで確かめてください。
【もう買った方】残りで計算し直す
- ①毎月の返済額 × 残りの月数(返済予定表に載っています)
- ②固定資産税と修繕費を足し、残っている減税分を引く
- ③合計を残りの月数で割る
僕は11.0万円でした。いま同じ家を借りたらいくらかと比べると、判断が合っていたかが見えます。
大事なのは、この計算をしても「どっちが正解か」は出ないということです。出るのは分かれ目だけ。そこから先は、通勤時間とか、子どもの学区とか、隣人ガチャとか、数字にならないものが決めます。
この記事で出した分かれ目を、最後に並べておきます。自分に近いものを探してみてください。
| ケース | 分かれ目の家賃 |
|---|---|
| 2018年に3,300万円を1.1%で借りた(僕) | 約11.0万円 |
| いま3,300万円を3.29%で借りる | 約14.6万円 |
| 都心30〜40㎞・95㎡(約4,000万円) | 約15.8万円 |
| いま建売の平均を買う(借入3,800万円) | 約16.8万円 |
| 都心30〜40㎞・110㎡(約4,633万円) | 約18.5万円 |
| うちの家をいま買う(借入4,440万円) | 約19.4万円 |
同じ「賃貸か持ち家か」で、11万円から19.4万円まで開きます。一般解が出ないのは、こういうことです。
それでも分かれ目を知った上で悩むのと、知らずに悩むのは、まったくちがうと思っています。
まとめ:答えは出ないけど、材料は揃えられます
今回わかったことを、もう一度並べます。
- いま3,300万円を35年で借りると、利息だけで2,261万円。2018年の677万円の3.3倍です💸
- 住宅ローン減税は0.7%・13年。ただし戻るのは自分が払った税金が上限
- いま買う場合の分かれ目は家賃14.6万円。それより高い地域なら買う、安いなら借りる
- 同じ返済額でも、借りられる額は940万円下がります。買える家そのものが変わります
- そのうえ建売の平均は1年で389万円上がって4,215万円。借りられる額は減り、必要な額は増えているのが今です
- 8年前に買った僕の分かれ目は11.0万円。いま同じ家を買う人は19.4万円です
- 同じ99.4㎡の家が8年で+31.7%。うちの家をいま買うには世帯年収894万円が必要で、我が家では届きません😱
賃貸か持ち家かは、たぶんこの先も決着しません。でもそれは「どちらでもいい」という意味ではなくて、「自分の数字と、自分が借りる年の条件で決めるしかない」という意味だと思っています。
金利は動きます。制度も変わります。誰かの正解が、そのまま自分の正解になることはありません。
だからこそ、電卓を一回叩く価値はあると思っています。
いちばん簡単なのは、いまの家賃(か、近所の相場)に437を掛けてみることです。スマホの電卓で10秒。それが「ここまでの家なら買ってもいい」という自分の上限額になります。
自分の分かれ目さえ分かっていれば、あとは数字にならないもので選べばいいだけですから!🏠
📌 ご注意
本記事は筆者の個人的な体験と試算をまとめたものです。金額はすべて概算です。固定資産税は筆者の実額、家賃は筆者の居住地周辺の相場を用いていますが、修繕費と住宅ローン減税の額はモデルケースに基づく試算です。
金利は2026年8月時点の【フラット35】最頻値を使用しており、実際の適用金利は融資率や借入期間、金融機関によって異なります。住宅ローン減税の控除率・期間・借入限度額は入居した年や住宅の性能によって異なるため、必ず最新の情報をご確認ください。
特定の金融商品・住宅ローン・不動産等を推奨するものではありません。住宅購入・賃貸・投資の判断はご自身の状況に応じて、自己責任でお願いいたします🙏
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